
洗濯槽クリーナーは塩素系と酸素系のどちらを選べばよいのか、縦型とドラム式で違うのかを、洗濯機メーカーが公開しているお手入れ情報をもとに整理します。ネット上では「縦型は酸素系、ドラム式は塩素系」と説明されることが多いのですが、実際には縦型でも酸素系を使わないよう案内しているメーカーがあります。この記事では、札幌のハウスクリーニング専門店・おそうじハウス札幌が、クリーナーの選び方、槽洗浄の頻度の目安、そして槽洗浄より先に手をつけたいフィルターのお手入れまでをまとめてご紹介します。
洗濯槽の黒カビは「洗剤カスと皮脂」で育つ
洗濯槽の掃除の話に入る前に、そもそも何を落とそうとしているのかをはっきりさせておきます。洗濯槽から出てくる黒いピロピロした汚れの正体は、多くの場合洗濯槽の裏側で育った黒カビです。
パナソニックは、洗濯槽でカビが繁殖しやすい条件として「栄養分(洗剤・皮脂混合物)」「カビ胞子(胞子+菌糸)」「適度な水分と温度」の3つを挙げています(出典:パナソニック「洗濯槽の除菌、黒カビ除去に。[塩素系]洗濯槽クリーナーはココが違う」)。つまり、▶ 溶け残った洗剤と、衣類から出た皮脂汚れがカビのエサになっているということです。
ここで見落とされがちなのが、洗剤を多めに入れる習慣です。汚れが落ちない気がするからと規定量より多く入れると、溶け切らなかった分が槽の裏側に残り、そのままカビの栄養になります。柔軟剤も同じで、入れすぎた分は槽の壁面に膜のように残ります。
そして厄介なのは、この汚れが普段まったく見えない場所にあることです。洗濯槽は二重構造になっていて、私たちが洗濯物を入れている内側の槽の外側に、水を溜めるための外槽があります。カビが育つのはその隙間、つまり内槽の裏側です。フタを開けて中を覗いてもきれいに見えるのに洗濯物がにおう、という状態はここから起きています。
においの原因をもう少し詳しく知りたい方は、洗濯機が臭い原因はカビだった!自分でできる対策とプロのクリーニングの違いもあわせてご覧ください。この記事では、その先の「では何のクリーナーを、どのくらいの頻度で使うのか」に絞って整理していきます。
塩素系と酸素系は「効き方」より先に「機種の指定」で選ぶ
洗濯槽クリーナーの売り場に行くと、大きく塩素系と酸素系の2種類が並んでいます。多くの記事では「殺菌力の塩素系」「汚れを剥がす酸素系」と性格の違いで説明されますが、実際に選ぶときの判断基準はそこではありません。まず、お使いの洗濯機のメーカーが何を指定しているかです。
塩素系は「剥がす力と溶かす力」が強い
塩素系については、パナソニックが「塩素系はカビを剥がす力と溶かす力が強いことが特徴です。そのため、高い洗浄効果を期待できます」と説明しています(出典:同上)。カビをこすり落とすのではなく、化学的に分解して流してしまうタイプ、とイメージすると分かりやすいと思います。なお、酸素系にも汚れを剥がす働きがあると説明されることがありますが、メーカーが公表している内容では、剥がす・溶かす働きは塩素系の特徴として説明されています。
そのため、▶ 洗浄後に黒いカスがほとんど浮いてこないことも多く、「効いていないのでは」と感じる方がいます。カスが浮かないのは分解されているからで、効いていない証拠ではありません。
酸素系は「泡」で機械側のトラブルになることがある
一方の酸素系については、日立が明確に注意を出しています。同社のよくあるご質問では、槽洗浄コースで酸素系(非塩素系)の漂白剤が使えない理由として「酸素系漂白剤は泡立ちが多く、排水異常や泡漏れを起こす可能性があります。故障の原因になるのでご使用はお控えください」と回答しています(出典:日立「槽洗浄コースで、酸素系(非塩素系)の漂白剤が使用できないのはなぜですか?」)。
ここが重要なところで、酸素系が問題になる理由は「汚れが落ちないから」ではなく「泡が機械に悪さをするから」です。汚れ落ちの話と、洗濯機という機械を壊さないための話は別だ、ということになります。
「縦型なら酸素系でよい」と決めつけない
よく見かけるのが「ドラム式は水が少ないから酸素系NG、縦型なら酸素系OK」という説明です。方向としては分かる話なのですが、これをそのまま自分の洗濯機に当てはめるのは危険です。
日立の場合、タテ型洗濯機の槽洗浄コースの案内でも、使用できるものとして「洗濯槽用塩素系漂白剤」「衣類用塩素系漂白剤」「防食剤配合塩素系漂白剤」が挙げられ、「酸素系漂白剤」と「台所用漂白剤」は多量の泡が発生し故障や水漏れの原因になるとして使用できないものに分類されています(出典:日立「洗濯槽のお掃除(槽洗浄コース)について知りたいです。(タテ型)」)。ドラム式の案内でも同様に、酸素系漂白剤と台所用漂白剤は使用禁止とされています。
つまり▶ 縦型かドラム式かで決まるのではなく、メーカーと機種で決まるということです。市販の酸素系クリーナーのパッケージに「縦型対応」と書かれていても、洗濯機メーカー側が槽洗浄コースでの使用を止めている場合があります。判断に迷ったら、洗剤の箱ではなく洗濯機の取扱説明書のお手入れのページを先に見てください。ここが、ネットの情報と実機の指定がいちばん食い違いやすいポイントです。
重曹で洗濯槽を掃除するのはおすすめできません
ナチュラルクリーニングの流れで「重曹で洗濯槽を掃除する」という方法が紹介されることがあります。ただ、洗濯槽に関してはメーカー側が明確に止めています。
日立は、重曹について「重曹は洗浄力が比較的弱く、洗濯機を掃除するためには多くの分量を必要とするため、溶け残る可能性があります」とし、さらに「水道水の水質が硬水寄りの地域では、溶け残った重曹がさらに固まり、排水経路が詰まる恐れがあります」と説明しています(出典:日立「槽洗浄コースで、酸素系(非塩素系)の漂白剤が使用できないのはなぜですか?」)。
札幌の水道水は、札幌市水道局が公表している値で硬度35mg/Lとされており(同局「水質トピックス(まめ知識)」。令和6年度・白川浄水場給水栓水の平均値)、いわゆる軟水寄りの水です。ですので「硬水地域で固まる」という条件そのものは札幌には当てはまりにくいのですが、▶ 洗浄力が弱く、大量に必要で、溶け残りやすいという前半の理由は水質に関係なく残ります。洗濯槽の掃除に関しては、重曹は素直に外したほうが確実です。
重曹やセスキが本当に力を発揮するのはキッチンまわりの油汚れです。そちらの使い分けについては、キッチン油汚れの落とし方|重曹・セスキ・アルカリ電解水の使い分けと、アルカリ電解水とセスキの違い|pHと洗浄力を比較・汚れ別の使い分け早見表で詳しく解説しています。
槽洗浄の頻度の目安も、メーカーで違う
「洗濯槽の掃除は月1回」という説明が定着していますが、これもメーカーや機能の有無で幅があります。公表されている目安を並べてみます。
▶ パナソニック(縦型/FAシリーズ)
黒カビ抑制のための定期的なお手入れとして月1回の「槽洗浄(1時間)コース」、黒カビが発生してしまったときは洗濯槽クリーナーを使う6時間コース、と案内されています(出典:パナソニック「お手入れ|特長 縦型洗濯機FAシリーズ」)。
▶ パナソニック(ドラム式)
月に1回、槽洗浄コースで黒カビやニオイを予防し、あわせて週に1回、槽乾燥コースで湿気を取ることが推奨されています。予防目的なら衣類用塩素系漂白剤(同社の解説では約200mL)、黒カビやニオイがすでに発生している場合は同社の洗濯槽クリーナーを全量、という使い分けです(出典:パナソニック「ドラム式洗濯機の掃除完全ガイド」)。分量は機種によって異なりますので、実際に入れる量は取扱説明書でご確認ください。
▶ 日立(タテ型・ドラム式とも)
定期的なお手入れ用のコース(タテ型では槽洗浄3時間コース)の目安として、自動おそうじを設定していない、または非搭載の機種は1〜2か月に1回程度、自動おそうじを設定している機種は3〜4か月に1回程度と案内されています(出典:日立「洗濯槽のお掃除(槽洗浄コース)について知りたいです。」タテ型・ドラム式)。汚れが付着したときやにおいが気になるときは約11時間のコースも用意されています。ただし、機種によっては3時間コースがない場合があります。
並べてみると分かるとおり、頻度の考え方そのものがメーカーで違います。日立は「毎回のすすぎ時に槽を自動で洗う機能」の設定有無で目安を分けていますが、パナソニックの縦型FAシリーズは自動槽洗浄を搭載していても月1回のお手入れを案内しています。▶ ネットの「月1回」に合わせるのではなく、お使いの機種の案内に合わせるのが確実です。なお、どのメーカーであっても「うちは2年くらい槽洗浄していない」という場合は、一度しっかり洗浄したほうがよい状態だとお考えください。
また、槽洗浄をする前の注意点として、日立はタテ型の案内の中で「洗濯槽内に衣類が残っている場合は、必ず取り除いてください」「換気を充分におこなってください」、クリーナーが洗濯槽以外の部分に付着すると金属部のさびやプラスチックの破損の原因になること、そしてつけおき中は運転が止まっているように見えても故障ではないことを挙げています。長時間コースの途中で「動いていない」と慌てて電源を切ってしまう方が実際にいらっしゃいますので、覚えておくと安心です。
そして、塩素系を使う以上、必ず守っていただきたいことが2つあります。パナソニックもドラム式の手順の準備段階で「必ず十分な換気をし、ゴム手袋を着用する」としています(出典:同「ドラム式洗濯機の掃除完全ガイド」)。
▶ 塩素系を使うときの必須事項
- 換気を十分にする・ゴム手袋を着ける(窓のない洗面脱衣所なら、換気扇を回し、扉を開けて作業する)
- 酸性タイプの洗剤やクエン酸と混ざらないようにする(塩素系は酸性のものと混ざると有害なガスが発生します。直前に別の洗剤を使っていた場合は、洗濯槽をよくすすいでから使ってください)
槽洗浄より先に効くのは「フィルター」と「乾かすこと」
現場でうかがっていて多いのが、槽洗浄は毎月しているのに、フィルターは何年も触っていないというパターンです。実は、においやカビの体感的な改善という点では、フィルターのほうが効きます。
パナソニックがドラム式について案内しているお手入れ頻度は、乾燥フィルターは毎回、排水フィルターは週1回、自動投入タンクと投入経路は3か月に1回、窓パッキング(ドアのゴム部分)は汚れが気になったら、というものです(出典:同「ドラム式洗濯機の掃除完全ガイド」)。縦型の場合も、糸くずフィルターにたまったゴミをこまめに捨てるのが基本になります。
もうひとつが乾かすことです。カビが育つ条件のひとつが「適度な水分と温度」である以上、使い終わったあと洗濯機の中を湿ったまま閉じ切ってしまうのは、条件をわざわざ整えているようなものです。ドラム式で槽乾燥コースが週1回推奨されているのも、この考え方に沿ったものと言えます。縦型でも、使ったあとにフタを開けておく、洗濯物を入れっぱなしにしない、といった小さな習慣が効きます。
札幌のお住まいでとくに気をつけたいのが、洗面脱衣所に窓がない間取りです。換気扇を回していない、あるいは短時間しか回していないと、洗濯機まわりの湿気が抜けません。浴室と洗面所の換気については、浴室乾燥機・換気扇の掃除と注意点|フィルターのホコリ・カビ・故障予防で解説していますので、あわせてご確認ください。冬場の結露が気になる方は結露がひどい札幌の冬|窓まわりのカビ予防と掃除のコツもどうぞ。
それでも黒いカスやニオイが出続けるときは
指定どおりのクリーナーで、指定の頻度で槽洗浄をしているのに、洗濯のたびに黒いカスが衣類に付く。この状態になっている場合、槽の裏側にこびりついた汚れが厚く育っていて、洗浄液を回すだけでは追いつかなくなっていることがあります。
目安としては、次のようなサインが出ていたら一度プロの分解洗浄を検討するタイミングです。
▶ こんなときは分解洗浄を検討
- 市販のクリーナーで槽洗浄した直後なのに、次の洗濯でまた黒いカスが出る
- 洗い上がった洗濯物から、乾いてもぞうきんのようなにおいがする
- 何年も槽洗浄をしていなかった洗濯機を、これから使い続けたい
- 中古で譲り受けた・引っ越し先に残っていた洗濯機を使い始める
分解洗浄では、洗濯機を分解して内槽を取り出し、普段は手の届かない内槽の外側と外槽の内側を直接洗います。市販のクリーナーで届く範囲とは、そもそも触っている面が違うとお考えください。
賃貸にお住まいで、退去のタイミングが近い方は、洗濯機の下や排水口まわりの汚れも見られる部分です。退去前の掃除で敷金を守る|場所別ハウスクリーニングチェックリストもあわせてご覧ください。浴室のカビが気になる方はお風呂・浴室のカビ取り方法|黒カビ・赤カビの落とし方と予防のコツが参考になります。
洗濯機のクリーニングはおそうじハウス札幌へ
おそうじハウス札幌は、札幌市を中心にハウスクリーニングを行っている専門店です。洗濯機の分解クリーニングのほか、水回り5点セット、エアコン、フローリング、窓・サッシまで、住まいまわりのお掃除をまとめてお引き受けしています。
洗面脱衣所は、下着やタオルを扱う場所でもあります。当店は女性スタッフも在籍していますので、作業スタッフの性別が気になる方はご遠慮なくお申し付けください。お見積もりは無料で、作業後の追加料金はいただきません。
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