清掃の発注と管理

グリストラップ清掃の頻度|札幌市の目安と店の状況から周期を決める方法

グリストラップ清掃の頻度|札幌市の目安と店の状況から周期を決める方法

グリストラップの清掃頻度は、「何ヶ月に1回が正解」と一律には決まりません。同じ容量の槽でも、揚げ物の多い店とそうでない店、昼だけの店と深夜まで開けている店では、油と汚泥が溜まる速さがまったく違うからです。ただし、出発点になる目安はあります。札幌市は、グリストラップ(グリース阻集器)の維持管理について、作業ごとに清掃の頻度を示しています。

このコラムでは、飲食店のオーナー様・店長様、店舗や施設の管理ご担当者様に向けて、札幌市の目安を下限として押さえたうえで、自分の店に合った周期を「逆算」で決める考え方と、外注するときに先に決めておきたいことを整理します。

まず札幌市が示す維持管理の目安を押さえる

札幌市では、油脂分を多く含む排水を流す場合、グリース阻集器の設置が義務付けられています(札幌市下水道条例施行規則に基づく排水設備の基準)。そのうえで市のページでは、適正な維持管理として次の頻度が示されています。

作業 札幌市が示す頻度 店として決めておくこと
バスケットの清掃 毎日1回以上 閉店作業のどこに入れるか、誰の担当か
油脂分の清掃 1週間に1回以上 曜日と担当、取り除いた油の出し方
ゴミ・残渣の清掃 1ヶ月に1回以上 店で行うか、業者の作業に含めるか
トラップ内部の清掃 2~3ヶ月に1回以上 店で行うか、業者の作業に含めるか

(頻度の出典:札幌市「油脂分の多いちゅう房排水(グリース阻集器の設置)」/2026年9月時点。「店として決めておくこと」は当コラムでの整理です)

なお、これは札幌市の基準です。江別市や北広島市など札幌市以外にある店舗は、所在地の自治体の下水道担当が示す基準を確認してください。札幌市の基準についての問い合わせ先は、市のページに下水道河川局 事業推進部 排水指導課(011-818-3422)と記載されています。

ここで大事なのは、どの頻度にも「以上」が付いていることです。これは上限ではなく、最低限これくらいは、という目安として読むのが安全です。つまり周期を決める作業は、「この目安より短くする必要があるかどうか」を判断する作業だと考えると整理しやすくなります。

もう一つは、作業が4段階に分かれていることです。毎日・毎週の作業を店のなかで確実に回しているかどうかで、槽の中までを空にして洗う清掃の周期も変わります。日々の手入れが止まっている店で、業者の清掃周期だけを延ばすことはできません。

目安より短くしたほうがよい店の見分け方

周期を逆算するときの材料は、大きく分けて3つあります。

① 槽の容量に対して、流れ込む油が多いか

グリストラップの容量は、本来は店の規模や厨房の使い方に合わせて選ばれています。ところが、開業後にメニューが変わったり、席数や営業時間が増えたりすると、槽の大きさに対して流れ込む油の量が増えていきます。揚げ物や炒め物が中心のメニュー、スープやタレを大量に仕込む業態、客席の回転が速い店、深夜まで営業する店は、同じ容量の槽でも埋まるのが早くなりやすいと考えておくとよいでしょう。居抜きで入居した店舗では、前の業態に合わせた槽がそのまま残っていることもあります。

② 蓋を開けたときに、すでにサインが出ていないか

次のような状態が出ているなら、今の周期では追いついていない可能性があります。

  • 厨房に酸っぱいような臭いが上がってくる
  • 排水の流れが以前より遅くなった
  • 水面の油の層が厚く、固まって板のようになっている
  • 周辺で害虫を見かけることが増えた

臭いや流れの悪さは、槽の中で油と汚泥が溜まりすぎているときに出やすい症状です。放置すると、清掃では済まずに配管側の作業が必要になることもあります。

③ 前回いつ清掃したか、記録があるか

「前回の清掃がいつだったか分からない」という状態は、それ自体が周期を決められないサインです。店長の交代や、運営会社・管理会社の担当替えのたびに記録が途切れてしまうと、槽の状態と周期の関係が誰にも分からなくなります。周期を決める前に、まず記録を残す仕組みを作るところから始めます。

自分の店の周期を決める3ステップ

ここまでの材料をもとに、周期は次の順番で決めていくと無理がありません。

  1. 一度リセットする…しばらく清掃していない槽や、記録が無い槽は、まず一度中を空にして洗い、基準になる状態を作ります。汚れの溜まり方は、きれいな状態から測らないと比べられないためです。ただし、長く清掃していない槽は、1回で元の状態に戻りきらないこともあります。
  2. 毎日・毎週の作業を店のルールにする…バスケットと油脂分の清掃を、閉店作業のチェックリストや担当表に入れます。月1回のゴミ・残渣の清掃も、店で行うか業者の作業に含めるかをここで決めておきます。ここが回っていないと、どの周期を選んでも槽の中はすぐに埋まります。
  3. 次の清掃のときに「どこまで溜まっていたか」を見て調整する…札幌市の目安(トラップ内部は2~3ヶ月に1回以上)より間隔を空けないことを前提に、次の清掃時点で油の層や汚泥が多ければ間隔を縮めます。業者に依頼する場合は、作業のたびに状態を記録してもらうと判断がしやすくなります。

周期は一度決めたら終わりではありません。メニューの変更、繁忙期、営業時間の変更があったときは、同じ手順で見直します。

油を分解して流す装置・処理剤は使わない

清掃の手間や費用を減らしたいとき、薬剤や装置で済ませられないかと考える方もいるかもしれません。札幌市のページでは、次の2つが「特に、以下の使用は禁止です」として挙げられています。

  • 油脂分を分解する菌又はオゾンなどを利用するばっ気装置の追加設備
  • 油脂分を分解して、排水として流すタイプの油処理剤の使用

市のページでは、どちらも見かけ上は排水がきれいになっても、グリース阻集器の性能が発揮されず、油脂分を多く含む汚水を公共下水道へ流すことにつながると説明されています。市が使用を禁止しているものなので、清掃の手間を減らすためでも臭い対策のためでも、目的にかかわらず使わないようにしましょう。

反対に、周期を延ばす方向で効くのは、そもそも油を流さない工夫です。同じページでは、油のついた食器やフライパンは拭き取ってから洗うこと、油脂分の多いスープなどは別に回収して冷えて固まった油脂分を取り除くこと、多量の油はリサイクルするか固めて廃棄することが呼びかけられています。厨房のルールとして徹底できれば、槽に入る油そのものが減ります。

外注するときに先に決めておくこと

槽の中の清掃を外注する場合は、周期とあわせて次の点を決めておくと、話が早く進みます。テナントとして入居していて、ビルの管理会社やオーナーがすでに槽の清掃を手配している場合は、まず今の周期と作業の記録を管理会社に確認しておくと、二重の依頼や作業の抜けを防げます。

  • 作業できる時間帯…閉店後、定休日、仕込み前など、厨房を止められる時間。営業中の作業を避けたい場合は、最初に伝えておきます。
  • 槽の容量と場所…容量が分からなくても構いませんが、図面や設備の資料があれば見積りが正確になります。
  • 汲み取ったものの行き先…清掃で取り出した汚泥や廃油をどこへ出すかは、清掃とは別に決めておく必要があります。当社がお引き受けするのは清掃作業で、汚泥・廃油の収集運搬および処分は行っていません。これらは許可を持つ専門業者へのご依頼が必要になるため、処分の手配を誰がするかを先に決めておきましょう。毎日・毎週お店で取り除く油やゴミの出し方も、ごみの収集を契約している業者か札幌市に確認しておくと安心です。
  • 複数店舗の場合の段取り…店舗ごとに周期がばらばらだと、管理する側の手間が増えます。まとめて契約し、日程と記録を一括で管理できる形にしておくと、担当が替わっても周期が途切れにくくなります。

まとめ|目安を下限に、店の状態から周期を縮める

グリストラップの清掃頻度は、札幌市が示す目安(バスケットは毎日、油脂分は週1回、ゴミ・残渣は月1回、トラップ内部は2~3ヶ月に1回。いずれも「以上」)を下限として押さえ、そこから自分の店の条件で縮めていくのが基本です。流れ込む油の量、蓋を開けたときのサイン、記録の有無を材料に、一度リセットしてから埋まり方を見て調整します。油を分解して流すタイプの処理剤や装置に頼るのではなく、油を流さない工夫で槽の負担を減らすことが、結果的に清掃の手間と費用を抑える近道です。

おそうじハウス札幌では、グリストラップ清掃を槽の容量ごとの定額でお引き受けしています。定期契約は周期が短いほど1回あたりの単価が下がり、たとえば100L槽未満では3ヶ月に1回で16,800円(税込)、1ヶ月に1回で11,000円(税込)です。単発のご依頼は100L槽未満で29,800円(税込)です。閉店後などの夜間作業にも対応しています(夜間作業は別途8,800円(税込))。定額は清掃作業の料金で、汚泥・廃油の収集運搬と処分は含まれません(当社では行っていないため別途の手配が必要です。手配についてはお問い合わせ時にご相談ください)。レンジフードや厨房の床などとあわせてご依頼いただく場合は店舗・飲食店の清掃を、料金の一覧は料金ページをご覧ください。

グリストラップ清掃の周期・お見積りのご相談

札幌市内全域の飲食店・店舗・施設に伺います(江別市・北広島市などの近郊も対応。市外は距離に応じた出張費を、お見積りの段階でお伝えします)。現地調査・お見積りは無料です。「前回いつ清掃したか分からない」「今の周期で足りているか知りたい」といった段階からご相談ください。

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